江戸の肉食禁止令 ~いろんな抜け穴がありました~

肉たち

江戸時代、獣を殺してその肉を食う、いわゆる『肉食』は禁じられていました。しかし実際には庶民は隠れて肉食を行っていました。今回はなぜ肉食が禁じられたのか、いかにして庶民はそれを切り抜けたかなどを中心にまとめました。
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蚊を絶滅させるには  ~古の知恵から最新の遺伝子操作まで~

夏も真っ盛りな今日この頃。蒸し暑い夏の煩わしさに追い打ちをかけるように蚊も元気に活動します。耳元でブーンとうるさい羽音を立てたり、血を吸って皮膚をかゆくしたり、挙句の果てにはマラリアやデング熱などの感染症をバラ撒いたり。まあとにかく人間にとっては迷惑この上ありません。蚊が居なくなってくれないかなぁと思った人も一人二人ではないと思われます。

実際、有史以来人間は蚊と戦ってきました。特に蚊が「ただの迷惑な虫」ではなく「感染症の媒介となる危険な虫」ということが判って以来、人類は本腰を上げてその対策を考えてきたのです。

今回はその人類が編み出した蚊に対する対抗策を調べてまとめてみました。

殺虫剤 ~種類と問題点~

蚊を退治する方法として最もポピュラーなのはやはり「殺虫剤」だと思います。手で引っ叩くよりも確実に、しかも広範囲の蚊を殺すことができます。

主な殺虫剤

古くからある蚊用の殺虫剤と言えば「シロバナムシヨケギク」が挙げられます。真っ白な花をつける菊の一種で、乾燥させて燃やすときに発生した煙が蚊にとって有毒な成分(ピレストリン)を含んでいます。かつては蚊取り線香の原料となっていました(開発者は「金鳥」の社長:上山英一郎さんでした)。人や家畜などに無害なためとても重宝され、日本国内では大々的に栽培し生産をしていました。日本が最大産出国で海外(主にアメリカ)に輸出も行っていたそうです。

現在はシロバナムシヨケギクは栽培されておらず、科学的に生産された成分を含んだ殺虫剤が使用されています。先述のピレストリンに似た化合物を人為的に生成し濃縮したピレスロイド系殺虫剤、DDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)などを用いた有機塩素系殺虫剤が現在使われている主な殺虫剤です。

「DDT」を用いた殺虫剤は効果絶大でさらにコストが非常に低いというメリットがあります。そのため半世紀以上前にできた薬剤としては古い部類に入るにも拘わらず、今でも現役で使われています。最も蚊と蚊が引き起こす感染症に困っているのは発展途上国ですが、彼らにとってコストの安さは非常に重要なパラメータです。なのでもっと効果的な殺虫剤が開発されたとしても、DDTのお株を完全に奪うことは難しいでしょう。

DDTの欠点

DDTという安くて効果的な殺虫剤があるなら新しい殺虫剤なんて不要ではないかと思われる読者の方もいらっしゃるかもしれません。しかしDDTにはいくつかの問題点があります。

一つ目は「残留性」です。DDTなどの有機塩素系の化合物は自然には分解されにくく、使用された殺虫剤の成分が土壌や水中に長期にわたって残り続けるのです。これらの成分が生物体内に取り込まれ蓄積されていくと食物連鎖を通じて肉食動物や人間まで残留成分を取り込むことになります。これを生物濃縮と言います。

DDTの残留性の脅威を警告し社会的ベストセラーになった本がレイチェル・カーソンの「沈黙の春」でした。沈黙の春では残留性に加えDDTの「発がん性」も警告しており、一時的にDDTの使用が全世界で禁止されるなど社会に大きな影響を与えました。しかし現在ではDDTの実際の発がん性は「B2:危険があるかもしれない」レベル(5つのレベルの中で上から3つ目)と見なされており、規制はあるものの再び使用が解禁されています。

二つ目は「DDT耐性蚊」が発生したことです。つまりDDTでは死なないように進化した蚊が発生し始めたのです。DDTの残留性と多くの場面で使われ過ぎたことが原因となり、ナトリウムチャネルが変異した蚊が生まれまてしまいました。こうなってしまうと対策は厄介で、別の手段を講じるしかありません。しかしDDTよりも廉価で効果的な手段というのはなかなかありません。皮肉にもDDTの長所が裏目に出てしまったのです。

忌避剤 ~虫よけ~

忌避剤(虫よけ)とは蚊が嫌がる成分や、蚊が獲物をうまく認識できなくなる成分などを含んだ薬剤です。忌避剤を体の周りに噴霧すれば蚊が近づいてこなくなったり、近づいてきても吸血しなくなったりします。

一見すると蚊の数を減らすことに貢献しないように思われるかもしれません。しかし蚊にとっては死活問題なのです。なぜメスの蚊が血を吸うかというと卵を産むために莫大なエネルギーが必要となるからです。つまり「メスの蚊が血を吸えない」=「卵が産めない」=「成虫となる蚊が減る」という図式が成り立ちます。つまり蚊を殺すというよりは新たな蚊を産ませないというのが忌避剤の基本コンセプトになります。

古くはヨモギやスギの葉っぱに火をつけて、煙で蚊を追い払う「蚊遣り火」という行事がありました。実際の効果の程はわかりませんが、夏の風物詩になるほど盛んに行われていたようです。昔の人の蚊に対する苛立ちが感じられます。

ディートによる虫よけ

最近ではディートDEET:N,Nジエチル-3-メチルベンズアミド)という化合物を使った忌避剤が主流です。蚊だけでなくダニなど他の昆虫に対しても効果があります。また昆虫とは全く異なる体構造をしたナメクジなどにも一定の効果があるそうです。持続時間は濃度によって異なりますが、市販のものであれば4~6時間は持続するようです。

ディートがどうして蚊に対し効果を発揮するのかは未だわかっていません。実験により蚊はこのディートを嗅覚を通して検知しているとわかりました。しかしそこから先は解明されておらず、「嗅覚受容体を麻痺させ獲物を認識できなくなるから」「特殊な嗅覚受容体で認識されて警戒状態になるから」といったいくつかの有力な説があるだけです。

ディートもDDTと同じように安価であり世界中で使われています。注意点は幾つかあり「プラスチック、皮革に害を与えることがある」「肌荒れを起こすことがある」などです。とくに乳幼児への使用は用法容量をよく読んでから使用しましょう。

ボウフラ駆除

自由自在に飛びまわる小さな蚊を一々駆除して回るのはとても大変です。開けた場所ならば逃げてしまいますし、室内ならいろいろな物陰に隠れて攻撃を避けることができます。駆除どころか見つけるのすら一苦労です。そこで狙いを蚊の成虫から蚊の幼虫、すなわち「ボウフラ」に切り替えて駆除することで蚊の数を減らしていこうという作戦です。

メリットは2つあります。一つ目は「駆除するときに逃がしにくい」という点です。ボウフラは流れのない水場(水溜り、沼など)で生まれそこで育つ生物であり、陸に上がることも空を飛ぶこともできません。故にその水場を制圧してしまえばそのボウフラは逃げることができなくなり確実に駆除することができます

二つ目は「一度に大量に駆除することができる」という点です。蚊は一度に数百個の卵を産みます。さらに卵や幼虫はフェロモンを出し他の蚊たちもそれに誘われて近くに卵を産みやすくなります。つまり一か所の水場に多くのボウフラが密集している状態になるのです。故に大きな水場で駆除すれば一度に数百匹以上の未来の蚊候補を退治できることもあるのです。

ボウフラ駆除の方法

駆除の方法は幾つかありますが手っ取り早い方法は「水を捨ててしまう」ことです。ボウフラは深さ10センチもないような小さな水溜りや側溝の淀みでさえ生息することができます。そのような小さな水溜りに対しては水を抜いて干上がらせてしまうのが効果的です。新たな水溜りを作らないように抜き上げた水はアスファルトや日当たりのよい地面に捨てましょう。

池などある程度の広さがあるものなら鯉や金魚、フナなどボウフラを食べる動物を放っておけば勝手に駆除してくれます。江戸時代の城下町ではお堀や庭の池などには鯉が付きものイメージがありますが、これは元をたどれば夏のボウフラ対策の一環でした。非効率的な部分もありますが、泳いでいる鯉たちを見ると風流で心が安らぐ気がします。でも池や川へ勝手に鯉や金魚を放流するのはいけませんよ。

近年研究が進んでいるのが「BT」を使ったボウフラ駆除です。BTとはバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)と呼ばれる土壌細菌のことで、この菌がボウフラに食べられ消化されることで毒性を発揮してボウフラを殺します。BTの菌株の芽胞とCry結晶(BTが持つボウフラを殺す毒素を発するたんぱく質)を混ぜ合わせた錠剤は「BT剤」と呼ばれ海外で製品化されています。使い方は簡単で、ボウフラがわきそうな水溜りに錠剤を投入するだけです。ただし日本ではBT剤の販売・利用は禁止されています。生態系への影響人体への影響がネックになっています。

その他の方法としては水溜りに油を張る(ボウフラが呼吸できなくなり死亡する)、銅(10円玉、銅線)を水溜りに入れる(9割が羽化できなくなる)などの方法があります。

進化する蚊帳

蚊帳は蚊の接触を物理的に遮断する防御器具です。薄くて目の細かい網のような素材で部屋の入口や身の回りを覆うことで風を通しながらも蚊のいない密室を作ることができます。古くからあるものですが最近の日本ではあまり一般的ではなく、実際に見たことがないという人も多いでしょう。しかし適切に使えば蚊の攻撃を100%防ぐことができる堅牢さを持っています。

日本では滅多に見られなくなった蚊帳ですが、海外に目を向ければ現在でも途上国を中心に使われています。しかも我々の知っているただの蚊帳ではなく、進化を遂げた「蚊を殺す蚊帳:ITN(Insecticide-treated nets)」が活躍しています。このITNという蚊帳は繊維にピレスロイド系殺虫剤が塗り込まれており、蚊が接触した際にその殺虫成分が付着するように作られています。ただ蚊による吸血を阻止するだけでなく、近くに寄ってきた蚊を仕留めるトラップにもなっているのです。

遺伝子操作による蚊の根絶

今までの上に挙げてきたような方法では蚊の数を減らしたり、蚊に刺される人の数を減らしたりすることは可能です。

しかし蚊を絶滅させるには今一歩足りません。絶滅させるには隅々まで調べ蚊を見つけて退治しなければならないからです。例えば孤島など外界と隔離された空間の中でならこれは十分に行うことは可能でしょう。ですが普通の環境の中で蚊を全て見つけ出し退治していくことは”人間の手では”ほぼ不可能です。ここで、”人間の手では”というところがポイントです。

よく考えればしっかりと蚊を見つけ出して蚊を退治してくれるなら別に人間でなくてもいいのです。では蚊を勝手に見つけ出してくれる生物とは?それは他ならぬ『蚊』自身が適役でしょう。産卵期になればオスの蚊もメスの蚊も必死になって異性の蚊を探そうとするからです。

しかし問題は当然ながら「蚊は蚊を退治しようとはしない」ということです。そこで使われるのが「遺伝子操作」です。これを使い蚊が蚊を退治するようにしてやればいいのです。と言っても遺伝子を組み替えたとしても蚊の行動を逐一操ることができるというわけではありません。そこで蚊が交尾を行った際に発動するような遺伝子の罠を仕掛けて次世代、次々世代の蚊がそれに陥るようにします

不妊オス

蚊やハエといった多くの昆虫のメスは交尾を一生で一回しかしません。一度受けた精子を溜めておき一生使い続けるのです。この昆虫の特徴を利用し、あらかじめその精子を不能なものにしておけば、そのメスの産む卵は全て孵らなくなります。それが不妊オス蚊を利用した根絶法です。

まずオスの蚊に放射能を照射し、遺伝子のあちこちを損傷させます。するとその遺伝子のいくつかが突然変異を起こしてしまうのです。あとはこの遺伝子が突然変異したオスの蚊を野生に放ち、野生のメスと交尾するのを待てばよいのです。

この方法の欠点としては、その対象となる蚊のメスの数に対応した膨大な数の不妊オス蚊を用意しなければならない点です。不妊オス蚊はその性質から当然増加するということはなく、野生に放った後は減少していく一方です。また遺伝子を突然変異させる影響で不妊オス蚊は寿命や生存能力が著しく下がってしまう点も考慮しなくてはなりません。

遺伝子操作による蚊の性質変化

近年の遺伝子操作技術の発展は目覚ましく、不妊オスのように強制的に遺伝子を破壊するだけでなく、ある生物の遺伝子を変化させたり、外来の遺伝子をある生物に導入したりといった遺伝子操作方法がすでに確立されています。この技術を蚊に導入することで人間的に都合の良い性質を持った蚊を作り出すことができるのです。人間に都合のいい性質とはここでは「ある条件を満たせば死亡する」または「ある条件を満たせば不妊状態になる」といったものです。

例えば「tTA」というタンパク質を体内で作りだすように遺伝子を組み替えた蚊などは上記の良い性質を持っています。このtTAというタンパク質が細胞内に蓄積すると蚊は死んでしまうのです。それでは実験室から放つ前にすべての蚊が死んでしまうのではないかと思われるかもしれませんがテトラサイクリンという抗生物質を飲ませておけばtTAは作られなくなるのです。このtTA生成能力を持った蚊を野に放てば、交配によりtTA生成能力が受け継がれて子孫は全て死亡します。この遺伝子組み換え蚊が放たれた国では80~90%のネッタイシマカを減少させることに成功しているそうです。

特徴としては実験室内では普通に生存でき、かつtTA生成能力を持った蚊同士で交配できるため普通に飼育しているだけで勝手に繁殖していくので数を増やすのが容易な点です。これは不妊オス蚊ではできない画期的な長所です。

雌雄の見分けがつかない?桜を食べる?スズメたちの不思議な習性

我々が日常生活の中でもっともよく見かける野鳥は何かと尋ねられれば、おそらく多くの方が「スズメ」と答えられるのではないでしょうか。いわゆる「普通」の鳥の代表格であるスズメですが、その生態は他の野鳥と比べてみると意外にもかなり「特徴的」なのです。今回はその特徴について調べてまとめてみました。

基本プロフィール

まずスズメの基本的な知識から。

スズメとイエスズメ
スズメ(左)とイエスズメ(右)

世界でよく見かけるスズメは主にスズメイエスズメに分けられます。主に日本などの東アジアで見られるのがズスメ、ヨーロッパなどで見られるのがイエスズメになります。スズメとイエスズメはよく似ていますが、違いとしては頬が黒いのがスズメ、頭頂部が灰色っぽいのがイエスズメです。以下ではスズメについて扱っていきます。

食性は雑食。種子や米、昆虫からパンくず、花の蜜など何でも食べます。
英語ではsparrow。なんだかswallow(ツバメ)と似ていますね。
生息数は約1800万羽、時期によっても数は変化するので正確な数はわかりませんが、大体数千万羽単位で生息しているそうです。
寿命は”何も起こらなければ”6~7年生きられるそうです。しかし厳しい自然界において何も起こらないということはまずありえません。実際スズメ全体の平均寿命は11.5ヶ月と言われています。ほとんどが一年たたずに死んでしまうのです。

人の近くに住む

自然豊かな場所には沢山の種類の動物が棲んでいます。なぜか?人間がいないからです。多くの動物は人間に近づかれることを嫌います。また人間の住む町などは多くの場所がコンクリートやアスファルトでできており多くの動物には暮らしにくいのです。

スズメの巣
スズメの巣は様々な場所につくられる

それに対してスズメは人家や電柱など人間の近くに巣を作り、そこで子育てを行います。理由は単純、ほかの動物が少ないからです。スズメはその小さい体格から察せられるように、動物の中では非常に弱い部類に入ります。外敵も当然多く、カラス・猫・ヘビ・イタチ・タカなどに出会えば成す術も無く捕食されてしまいます。

故に他の動物が少ない人里はスズメにとっては丁度良い住処になります。実際、過疎化などで人が少なくなった町村からはスズメも姿を消します。このような人間の近くに住む野生動物をシナントロープ(ギリシャ語で「syn:共に」+「anthrop:人間」)といい、スズメはその典型例です。

その他のシナントロープの例はハト、ドブネズミ、ゴキブリなどです。良くも悪くもしばしば目にする動物たちが並びます。他のシナントロープの動物たちと同じように、スズメも人間の作った生活環境に順応し、それを利用することで生息地を広げてきたのです。

超高密度で生息

多くの鳥類は個体あるいはつがいごとに「縄張り」を持ちます。自分の巣の周り半径数十メートル以内に他の同種の鳥が巣を作ることを許しません。これは餌や巣の材料といった資源の取り合いを防ぎ、自分の巣を守りやすくするための工夫です。

それに対しスズメはとてつもない高密度で巣を作り、そこで繁殖も行います。例えば半径50メートル以内にスズメの巣が2,30個集まっていることもざらにあります。海鳥などのように営巣できる場所が限られているわけではないにもか拘らず、ここまで超高密度であることは大変珍しいです。

そこまで密集していると当然争いも起こります。極端な例では、他のスズメの巣の卵やヒナを外に捨てて巣の乗っ取りをはかろうとした事案も観測されています。集まって暮らしているとはいえ仲良しではないのです。

なぜそこまでして高密度で営巣するのかという点はスズメの不思議な特徴の一つです。

オスとメスの見分けがつかない

多くの動物はオスとメスの見分けが簡単につきます。例えばライオンやカブトムシなどはタテガミや角を一目見ただけで見分けることができます。またパッとは区別がつかなくてもじっくりと細かい部分を観察すれば大抵の動物はオスかメスかが分かります。例えば体長や羽の模様、顔などです。

スズメの群れ
スズメオスとメスが分かりますか?

しかしスズメの場合、羽の模様や顔のつくりなど外見的特徴にほとんど差がないのです。統計データを取ってみると体長に関しては若干オスの方が大きいというデータがあります。しかしそれもあくまで統計上の話です。一匹のスズメを差し出されて、そのスズメがオスかメスかを体長でもって判断することはできません。大きいメスや小さいオスなども当然スズメの中には存在するからです。

では外見での判断がだめなら、行動での判断はどうでしょうか?オスのスズメ特有の行動やメスのスズメがよく行う仕草などがあれば判断の材料になりそうです。観察によると「交尾しているときに上がオス、下がメス」「巣で卵を温めている時間が長いのがメス」などの特徴があるそうです。しかし残念ながらこれも確実な方法ではありません。オス同士の交尾(鳥類ではよくあるそうです)の場合や単独でいるスズメの判断には使えません。

とはいっても研究をしていく上ではやはりオスとメスの区別を付けることは重要になってきます。どうにかして判断しなければなりません。そこで現在のスズメの研究においては「血液検査」をして雌雄の判定をします。スズメを捕獲して、血液をほんの少しだけ採らせてもらいます。そして血液中のDNAのある部分を調べるとオスかメスかが分かるのです。

人間はスズメ達の見分けがつかないのでこのような方法をとりますが、スズメ達は当然どこかで雌雄の見分けをつけている訳です。つまりスズメには感じ取れる確固たる違いがあるのはずなのです。しかしそれが声か体つきか匂いか、それともその他の何かなのかは現在も分かっていません。

桜を「食べる」

スズメと桜
桜を食べているスズメ

花の蜜を吸う生物のことを「蜜食動物」といいます。ハチなどの昆虫はもちろん、ハチドリやメジロなど一部の鳥類もこの蜜食動物の一種です。そしてスズメもこの蜜食動物に含まれます。しかしほかの蜜食動物とは少しだけ変わった部分があるのです。

ハチやメジロなどの一般的な蜜食動物は花の奥まで潜ったり、長いくちばしをストローのようにして花から蜜を吸います。そのとき体に花粉が付着して、別の花へと花粉を運んで受粉させる役割も担っています。

それに対しスズメの蜜の吸い方は少し変わっています。まず花の裏に回り込み、花全体をプチッと枝からちぎってしまうのです。そして花の裏側の萼筒(がくとう:花と枝をつなぐ茎のような部分)から蜜を吸い取ります。このスズメのような蜜の吸い方を盗蜜といいます。ほかの蜜食動物と違い花粉を運ぶ役割を果たしていない、つまり一方的に蜜だけをもらっていて花に対し何も恩恵を与えていないので「盗」の字が当てられました。盗蜜の中でもスズメのように花をプチッとちぎって蜜を吸い取る方法は珍しいです。

スズメがこの方法で蜜を頂戴する花はおもに桜の花です。桜の木の周りに花びらではなく花冠ごと桜が落ちていたり、桜の花を加えたスズメを見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。

「食べられる」スズメ

かつてはスズメの外敵はヘビやイタチなどの野生生物だけではありませんでした。もう一つ大きな外敵が存在しました。それは「人間」です。「かつて」といってもそこまで昔の話ではなく昭和の中期あたりまでは一般的に食べられていたそうです。

基本的な食べ方は焼き鳥です。捕らえたスズメの羽毛を軽く取り、丸焼きにして骨ごと食べるのだそうです。スズメの骨程度なら人間のアゴでパリパリ噛み砕くことも可能で、肉・内臓・骨を丸ごと食べることができたそうな。味は可もなく不可もなく、鶏と比べるとちょっとパサパサしています。小さい体ですが、骨や内臓まで全部食べられるのでなかなかの食べごたえだそうです。現在でも伏見稲荷では名物としてスズメの焼き鳥が売られているそうです。

また食べ物としてだけでなく、「薬」としても服用されていました。摂取の仕方は様々で、味噌漬けにして食べたり、卵を生のまま飲んだり、生き血を吸ったりちょっと呪術的ですね。リウマチや梅毒、下痢など様々な病に効くとされていましたが正直なところ実際の効果はあるとは思えません。当然おすすめはしません。

キン肉マン 第179話「キン肉マンの秘策!!の巻」感想

キン肉マン 第179話「キン肉マンの秘策!!の巻」の感想です。試合開始早々からネメシスとの圧倒的なパワー・テクニックの差を見せつけられるキン肉マン。果たしてそのキン肉マンの秘策とは?

あのロビンマスクとラーメンマンを倒した男の力を
さっさと俺に見せてみろーっ!

自分の攻撃が全く通用せず呆然とリングにへたり込むキン肉マンに休む暇を与えずラッシュを再開するネメシス。「情けないなぁ」「俺がいたころのやつらの方がまだ歯ごたえがあった」「あのロビンマスクとラーメンマンを倒した男の力をさっさと俺に見せてみろ」と挑発をします。

ネメシスの言葉は一見傲慢で不遜にも見えますが、一方で正義超人たちの力を認めている節もあります。「あのロビンマスクとラーメンマン」という言葉は戦った二人の実力を認めていなければ出てこないでしょう。そしてキン肉マンに対し「力をさっさと俺に見せてみろ」ともいっています。キン肉マンがまだまだ底を見せていないことをネメシスも感じ取っているのでしょう。

あれぞキン肉族伝統の防御法 ”肉のカーテン”です

肉のカーテン

ネメシスのラッシュを止めるためキン肉マンは「肉のカーテン」を構えます。シルバーマンの「パーフェクトディフェンダー」をもとに編み出されたキン肉タツノリの「肉のカーテン」はネメシスをして「たいしたものだ」と言わしめる堅牢さを誇ります。そこでネメシスは肉のカーテンの弱点を見抜き、攻め手を打撃から組み技に切り替えました。肉のカーテン危うし!?

ローリングソバット

ですがキン肉マンも然る者、肉のカーテンにのみ頼った戦いはしません。ネメシスの組みを素早く切り抜け、ローリングソバットで逆襲!一気にミドルキックの連打で形勢逆転か!?

これはロビンマスク戦でも見せたネメシス流”肉のカーテン”パーフェクトディフェンダーッ!

パーフェクトディフェンダー

しかしそうは問屋が卸しません。キン肉族の技ならば同じキン肉族のネメシスも可能です。先程とは逆の展開、キン肉マンのラッシュを今度はネメシスの「パーフェクトディフェンダー」が止めます。数々の逆転劇を生み出してきたキン肉族の技を相手もつかうことができるのですからキン肉マンとしては非常にやりにくい相手です。

タックル

先程と攻守が逆でそれ以外はほぼ同じ盤面、ならばとキン肉マンはネメシスと同じ様に組み技による状況の打開を図ります。

キン肉スグルよ お前は大きな勘違いをしている

このまま千日手か!?と思われた一手ですが、一点が先程とは異なっていました。それは「キン肉マンの肉のカーテン」と「ネメシスのパーフェクトディフェンダー」の差であり、その差はキン肉マンが考えていたよりも大きな意味を持ちました。

膝蹴り

ネメシスのパーフェクトディフェンダーはキン肉マンのタックルを防御するどころか、逆にそのままの姿勢で膝蹴りを加えタックルをキャンセル。そのままキン肉マンに腕極めスープレックスを食らわせます。

ヌ~
こ、この動きはジャスティスマン!?

敵の攻撃を耐え忍ぶためキン肉タツノリが生み出した鉄壁の防御法「肉のカーテン」。守りに徹するだけでなく敵を倒すことも念頭に入れネメシスが研鑽してきた「パーフェクトディフェンダー」。似た構えの防御技術なれど、堅守か反撃かといった技の性質の違いだけでなく、そこに正義超人と完璧超人の理想の違いまでもが現れていました。

逆転の一手!

パーフェクト・アセイラント
アセイラントとは「加害者、攻撃者」の意味をもつ単語

倒れるキン肉マンにネメシスはすかさず追撃の姿勢を見せます。空中へ跳躍し、頭上で合掌、そのまま矢のようにキン肉マンへと急降下!パーフェクト・アセイラントだーっ!この高飛び込みのようなパーフェクトな技は命中すればリングを血の海に変えることは必定。命中しなければ突き指で悶絶することも必定

超人絞首刑
要所要所でいぶし銀な活躍を見せる超人絞殺刑

しかしキン肉マンこれを回避、そして繰り出した反撃の一手は48の殺人技の一つ「超人絞殺刑」でした。ネメシスが王族から独立して完璧超人として超人閻魔の下で技術を高めたように、キン肉マンも王族から離れて進化させてきた技があります。それが師匠カメハメから受け継いだ「48の殺人技」と「52の関節技」であり、これもまた多くの共通点を持つキン肉マンとネメシスを分かつ重要な要素となります。果たしてこの「反撃の一手」ならぬ「百手」が勝負を決する鍵になるのか!?

正義超人と完璧超人、キン肉マンとネメシス、この違いを言葉だけでなくリングの上での技の応酬でキッチリと、そしてコンパクトに表現してしまうゆで先生の構成力には感服しっぱなしでした。

といったところで今週の感想を終わります。お読みいただきありがとうございました。

ジョジョ 4部ダイアモンドは砕けない 19話『「重ちー」の収穫(ハーベスト)その2』感想

ジョジョの奇妙な冒険 第4部ダイアモンドは砕けない 19話『「重ちー」の収穫(ハーベスト)その2』の感想です。今回は前回の続きから。当選した宝くじを拾った仗助たち。果たして無事500万円を手に入れられるのか。

(このクソガキどもが500万円当てただと?うさんくさいねぇ。
この敏腕銀行員の嗅覚が何かを感知してるわ)

敏腕銀行員

銀行で宝くじを換金する仗助たち。早速銀行員から疑いの目を向けられます。実際今回の「拾った宝くじを換金する」行為についてはかなり黒に近いグレーな行為ではあります。この敏腕さは自分から敏腕銀行員を名乗るだけのことはあります。

恐怖のサイン

コロンボや古畑任三郎のように嫌らしい質問で仗助たちを問い詰めていく敏腕銀行員。仗助も恐怖のサインを知らず知らずのうちに出してしまう始末。

ところで奇妙な事に気が付いたのですが

森下一郎

さらに決定的な証拠で仗助たちを追い詰める銀行員。なんと宝くじの裏側に持ち主の名前と電話番号が書いてあったのです。気づけよ!当然、三人の名前ではないので怪しさ満点。それに対する仗助の言い訳が「知り合いの電話番号をメモ代わりに書いておいた」。なんとも苦しい…怪しさ倍点!キャバーン!

敏腕銀行員2Pカラー

勿論、その電話番号の主「森下一郎」に電話を掛けます。森下一郎が宝くじを買ったことを認めてしまいます。常人とは思えないプレッシャーを発しながら近づいてくる警備員。(やったぞこのクソガキ共!私の嗅覚に狂いはなかった!)と勝利を確信する銀行員、ブライアン・ホークみたいな色になっています。幸運もここまでか!?

筆跡を一部だけ元に戻す

筆跡を戻す

いきなりクレイジーダイアモンドを繰り出す仗助。わかったぞッ!電話機と敏腕銀行員を融合させるんだなッ!いや違う、殴ったのは宝くじだッ!宝くじと敏腕銀行員を融合させるのかッ!なんと宝くじに書かれた文字(インク)の一部を書かれていない状態に戻します。応用力が凄い。ひょっとして電話かける前に消してしまえば良かったのでは?ボールペンで書かれた文字を消せるって契約書泣かせの技ですね。

ダイナミックで繊細な無駄に技巧を凝らせた力技でなんとか急場をしのぎ切った仗助たち。500万円の現金手形を受け取ることに成功します。めでたしめでたし。To be continued.

3人で分けるのが惜しくなったってわけかよ。そういうことは通用しねー金額だよな

重ちー

しかし、ここで終わるわけがありません。まだ放送時間が20分近く残っています。重ちー御謀反、案の定500万円を独り占めしようとします。ジョージ・ジョースターなら逆に考えて「譲っちゃってもいいさ」と考えてくれたかもしれませんが、さすがの仗助もここは譲れません。2万円で手を打とうとする舐め腐った態度の重ちーに億泰の右ストレート炸裂!手形を奪いました。コワイ!

やるもんかよ…やるもんかよ…

殺意の重ちー

完全に殺意の波動に目覚めた重ちー。億泰の耳を抉り、手形を奪い返します。「それ以上追って来たら殺すぞ」の言葉には脅しやハッタリ以上の重みが込められています。まじに中学生かよ。出会った当初の「きれいな重ちー」を返して……。

ハーベスト

億泰のボンタンの内部での攻撃方法もかなりえぐいです。黒塗りの仕事量が半端じゃありません。緑のはハーベストの影です。カビとかじゃありませんが、何かグロいです。億泰はクレイジーダイアモンドで治せるから酷い目に会わせても大丈夫の精神で話が進んでいきます。

単純だが結構頭いいんじゃねぇか…?野郎本能みてーなもんか

ハーベスト

手形を持って逃げる重ちー。そしてそれを追いかける億泰&仗助コンビ。残念なおつむと思われていた重ちーですが、意外にもハーベストの様々な応用を見せます。キャタピラのようにして移動速度を速めたり、壁を登ったり、パイプで罠を仕掛けたり。極め付けには酒をくすねて血管に直接注入するえげつない攻撃をします。そしてアルコールの麻酔成分で動けなくなた所で積極的に眼球を狙っていくダーティーファイト。このまま仗助と億泰はハーベストの手に掛かり、軍隊蟻の進路に足を踏み入れたジャガーめいて負けてしまうのか!?

(おめーの考えてることピンときたよ。この仗助くんは!)

ハーベスト

堪らず「勘弁してくれ!俺たちが悪かった!」と有り金と今までもらった分け前を重ちーに渡そうとする億泰。本当に降参してしまうのか!?いや頭を下げつつも億泰の目は敗北者の目にはなっていない!具体的にはこの目は撒き餌で狸を誘い寄せてふん捕まえるみてーに野郎本体を金で誘ってやっつける男の目である。まんまと引っ掛かりホイホイと近づいてくる重ちー。その顔はアホ面丸出しであった。

しかしお金を受け取る寸前のところでこの作戦は重ちーに気が付かれてしまいます。野生の本能恐るべし。

気付いてないようだな。この時点でお前の勝ちはもうないってことが

仗助

だが重ちーは残る2つのことには気が付いていませんでした。
一つ目は『億泰のザ・ハンドの能力』。重ちーが射程内に入ったところをザ・ハンドが空間を削り取って手形を奪還します。そしてもう一つは『仗助のクレイジーダイアモンドの能力』。現金手形を破いてしまえばそれを直せるのはクレイジーダイアモンドだけです。これでは重ちーの一人勝ちは不可能です。

さらに追い打ちをかけるように手形を風に散らせてしまう仗助。500万のためにハーベストを総動員して回収に向かわせます。これで重ちーを守るスタンドはなくなり、敗北が決定してしまいました。億泰の鬱憤を晴らすような左ストレート炸裂!

原作で初めてこの流れを読んだとき正直言って「二人とも頭いいな」と思いましたね。だって重ちーと同じタイミングで「理解不能」と「あっ理解『可』能」が脳裏に浮かびましたもん。今まで散々重ちーの事を「バカ」だの「アホ」だの「頭がドドリアさん」だの言っていましたが自分のおつむもあまり重ちーと大差ないのでした。

さてと重ちー君。ちょいと簡単なお勉強しようかな?

スタンドバトルが終わったら次は算数と社会の勉強です。「仗助君と億泰君と重清君の3人が頑張って500万円の宝くじを手に入れました。この500万円はどうやって分ければよいでしょう?」答えはもちろん3等分ですね。算数的には当然です。最初の約束と違う?仗助たちの取り分が増えている?算数的には当然正しいので大丈夫。

きれいな重ちー

そして宝くじは自分一人では手に入らなかったと気が付き、邪悪の権化と化していた重ちーが浄化され改心します。心の汚れどころか鼻血まで吹っ飛ばしたこの衝撃。綺麗な重ちー復活!

高校1年の分際でこんなに持ってるとはチョイと許せんがto be continued

三人

改心したと思いきややっぱり強欲な重ちーとしれっと口座開設を勧める敏腕銀行員のしたたかさ、そしてちょっと私情の混じったナレーションで幕を閉じます。

一人頭166万6666円を手に入れた3人。ハーベストで町中から券を拾い集めた重ちー、そもそものアイデアを考案した仗助、そして一見何もやってなさそうな億泰ですがよくよく考えてみると宝くじを発見したのは彼です。実際この3人がいなければ500万円は手に入らなかったでしょう。今回の騒動を通して育まれた友情はきっとこの166万6666円よりも大きな価値を持つでしょう(適当)

我ながら恐ろしいほど投げやりな最後のまとめになりましたがそれもそのはず。すでに私の目は来週に向かっているのです。来週は「山岸由花子はシンデレラに憧れる」です。先週アニオリで康一君と由花子を出して前振りしていましたが、まさか原作と順番を入れ替えてくるとは思いませんでした。しかしながら今までもアニオリを入れる時は次にやる話の伏線になることが多かった。「先週は唐突なアニオリだったな」と奇妙に思いながらもこのことを予想できなかったのがちょっと悔しかったです。

以上感想でした。お読みいただきありがとうございました。