キン肉マン184話感想:「大魚の志」と「雑魚の誇り」

キン肉マン184話「雑魚の誇り!!の巻」のあらすじと感想です。慈悲の心は敵に隙を生み、悪をのさばらせるだけだと主張するネメシス。逆に慈悲の心がこそキン肉族の腐敗を一掃できたのだと主張する真弓。どちらも立場を譲らず平行線のまま、ネメシスは最後通牒としてキン肉マンと真弓を完璧超人界へと誘いました。この思いがけぬ言葉にキン肉マンは――。
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キン肉マン第183話「悲しき肉のカーテン!!の巻」感想

キン肉マン第183話「悲しき肉のカーテン!!」の巻の感想です。かつては投獄の憂き目にあいながらもキン肉族を想い、真弓にその未来を託したネメシス。しかし彼はすでに「キン肉族を滅ぼすことしか考えていない」と言い放ちます。ネメシスの心境を変化させた出来事とはいったいなんだったのでしょうか?
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キン肉マン第182話「サダハルとの約束!の巻」感想

キン肉マン第182話「サダハルとの約束!の巻」の感想です。キン肉族の危険性を説き、滅ぼさなくてはならないと痛烈に批判するネメシス(サダハル)。しかしそこにキン肉真弓が登場、真っ向から反論します。「かつて私たちに仰ったことと全く真逆のことではないですか」果たしてネメシス(サダハル)と真弓・ハラボテの接点とは?そしてサダハルの約束とは?

ワシとハラボテがまだ幼い子供の頃のことじゃった…

若いころの真弓とハラボテ
額に「王子」

真弓とハラボテ(ボテちん)は遊んでいる途中に立ち入り禁止地区にたどり着きました。そしてその中で閉ざされた謎の洞窟を発見します。風穴からその洞窟内へと入ろうとする真弓、ボテちんは止めますが済し崩し的に一緒に探索することになります。最深部に怪しげな牢獄を発見する二人、そしてその中には…

人だ人がいる!

サダハル
サダハルおじちゃん怖い

最深部の牢獄に囚われていたのは後にネメシスとなる男。陰謀に巻き込まれ入獄、社会的に存在を抹消された「キン肉サダハル」です。『知らなくて当然のこと、忘れてくれ』サダハルは二人に言います。しかし真弓は知るはずのない「サダハル」の名前を言い当てました。いつかサダハルの名誉を取り戻す日のため、公には口にできないその名を兄・タツノリがその息子・真弓に伝えていたのです。

これにはサダハルも驚き、感動のあまり身を震わせます。

そんな兄の優しい意志を…遠い未来にお前たちが受け継ぐんだ。なぁ真弓、ボテちん。

権力闘争

サダハルはキン肉王家で起こっている権力闘争のこと子供達にもわかりやすいように語ります。その上で権力闘争をなくそうと奮闘しているタツノリの意志を受け継ぎ、自分のような者が一人も出ないような時代を作ってほしいと頼みます。その表情は優しかった。

約束

そんなサダハルの真摯な姿勢に心を打たれ、真弓は力強く約束します。ハラボテも頷きます。ハラボテ大丈夫?話についてこられてる?三人が交わした会話の時間はほんの短いものでした。しかしその中でのサダハルの言葉はまさに薫陶となって真弓とハラボテにしっかりと刻まれました。

すべては”あなたがいたからこそ”なのです!

そしてそのサダハルの言葉通りタツノリ、真弓は二代にわたってキン肉族の暗部を浄化してきました。そして立派な大王に成長したスグルもまたその意志を受け継ぎキン肉族の闇を払ってくれることでしょう。「自分のような権力闘争の被害者を生み出さない」新たなキン肉族が完成し、それがサダハルの望みだったはずです。なのになぜサダハルはネメシスとなりキン肉族を潰そうとしているのか?

「それまでキン肉族に抱いていた希望…それは跡形すらなく消し飛んだ」ネメシスの顔に深い闇が刻まれ、憎悪を隠すことなく答えます。初めて会った子供達に薫陶を授けた頃のサダハルの優しい表情は消え、まるで別人のように変わってしまいました。かつては自分の身を捨ててでも守ろうとしたキン肉族、それを「今は潰すことしか考えていない」と言うのです。かつてのキン肉族の行く末を案ずる気持ちは本物だったはずです。何がネメシスを心変わりさせたのか?

感想

子供の頃の真弓と委員長。

真弓のマスクは子供の頃は「王」じゃなくて「王子」だったとは。メネシスの額の文字が完璧超人になった時に「kin」マークから「完」に変わったように、王になった時に「王子」から「王」に変わったのでしょう。ミート君の額の文字が1コマだけ「にく」から「ママ」に変わったことに比べればこれら2つの変化は普通の事なのです。

委員長はキン肉星出身じゃなくて、隣のハラボテ星出身だったという衝撃の事実。惑星名から委員長の名前が決まったのでしょうか?それとも世襲で「ハラボテ」という名前を代々受け継いでいくのでしょうか?でも息子の名前は「イケメン」だし…。

サダハルと貞治
サダハルと貞治

キン肉サダハル時代のネメシス。優しかった頃のサダハルを見せられると心に来ます。この頃の心を取り戻すことは最早ないのでしょうか。そして全く関係ないが若い頃の王貞治に見えなくもない。

あと最初ネメシスが委員長に会った時にそこまで反応がなかったのは、最後まで委員長を「ボテちん」という名前だと勘違いしていたからなんじゃ…?

ネメシスが「心変わり」をした理由が気になります。「跡形すらなく消し飛んだ」という言葉から、憎しみが時間とともに募っていったというよりは、何か決定的な事件があったのではないかと思います。いくつか予想を立ててみました。

説1「ネメシス、子育て問題で怒っている説」

ネメシスはサダハル時代に「子供は国の宝だ」と語っていました。そして先週も「お前の息子が危険な思想に染まったらどうするつもりだ!?」とキン肉マンに詰問していました。ネメシスは結構この問題に関心がありそうです。

真弓の子育て失敗(アタルはスパルタ教育で出奔、スグルは誤って地球に放逐)を目の当たりにしたネメシスが危機感を抱くのも無理はありません。いやむしろ真弓はもっと危機感を抱くべきだったんじゃ…。アタルやスグルが悪の道に走る可能性もあったわけですから。

説2「ネメシス、タツノリ関係で怒っている説」

完璧超人になってもタツノリへの尊敬は未だ失われていません。にも拘わらず考えが180度変わってキン肉族を滅ぼそうとまで考えるようになった理由ですから、ネメシスにとっては相当大きな事件なはずです。ネメシスが一番怒りそうなことで思い当たるのはやはり兄「タツノリ」の身に何かが起こった場合でしょう。

実際タツノリの行く道は平坦ではなかったようで「戦争の時に囚われの身になり『肉のカーテン』で3日間身を守り続けた」逸話があります。肉のカーテンの堅牢さとキン肉タツノリの強い意思を表す逸話ですが、裏を返せば大王が囚われてしかも3日間助けられなかったという尋常じゃない事態です。ひょっとするとこの逸話にはまだ語られていないエピソードがあるのかもしれません。

説3「ネメシス、キン肉族の闇の深さに怒っている説」

ネメシスは権力闘争の末に幽閉の身になったわけですが、キン肉族の闇は権力闘争以外にもありそうです。例えば五人の王子候補たちの人生を見てみましょう。

まずフェニックス、ゼブラ、マリポーサはお金に困っていました。フェニックスは苦学を重ね、ゼブラはのし上がるため愛馬を殺し、マリポーサは盗みを繰り返し生計を立てていました。キン肉族においては持つ者と持たざる者の差はなかなかに大きそうです。

そしてソルジャー(アタルではない本物の方)は兵士で、戦場で銃弾に倒れたところを残虐の神に乗り移られました。悪の権化を名乗る悪魔超人ですら勝負はリングで行われる「超人プロレス」で決着をつけているのに対し、タツノリやソルジャーが戦っていた「戦争」はリンチあり銃器ありのガチのものでした。

ビッグボディは開拓作業が大変そう。がんばって。

これらの「貧富の差」「戦争問題」「未開地の開拓」が全てキン肉族の闇につながっているとなれば、このことを知ったネメシスもキン肉族に失望するかもしれません。しかしネメシスも王族だったのだから「このことを知らなかった」というのはあまり可能性がないですかね……。

3つも説を挙げたのだからどれか一つは当たっているはず。いや…でも、ゆで先生は読者の予想を上回ってくることが多いのであまり自信は……。どちらにしても来週が楽しみです。

といったところで今週の感想を終わります。お読みいただきありがとうございました。

キン肉マン第180話「不殺の殺人技!!」感想

キン肉マン第180話「不殺の殺人技!!」の感想です。未だ試合はネメシス優位で進み続け、半反撃の糸口さえつかめないキン肉マン。繰り出したのはキン肉族の技ではなく師匠カメハメから受け継いだ48の殺人技の1つ「超人絞殺刑」。果たして逆襲の一手となるのでしょうか。
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キン肉マン 第179話「キン肉マンの秘策!!の巻」感想

キン肉マン 第179話「キン肉マンの秘策!!の巻」の感想です。試合開始早々からネメシスとの圧倒的なパワー・テクニックの差を見せつけられるキン肉マン。果たしてそのキン肉マンの秘策とは?

あのロビンマスクとラーメンマンを倒した男の力を
さっさと俺に見せてみろーっ!

自分の攻撃が全く通用せず呆然とリングにへたり込むキン肉マンに休む暇を与えずラッシュを再開するネメシス。「情けないなぁ」「俺がいたころのやつらの方がまだ歯ごたえがあった」「あのロビンマスクとラーメンマンを倒した男の力をさっさと俺に見せてみろ」と挑発をします。

ネメシスの言葉は一見傲慢で不遜にも見えますが、一方で正義超人たちの力を認めている節もあります。「あのロビンマスクとラーメンマン」という言葉は戦った二人の実力を認めていなければ出てこないでしょう。そしてキン肉マンに対し「力をさっさと俺に見せてみろ」ともいっています。キン肉マンがまだまだ底を見せていないことをネメシスも感じ取っているのでしょう。

あれぞキン肉族伝統の防御法 ”肉のカーテン”です

肉のカーテン

ネメシスのラッシュを止めるためキン肉マンは「肉のカーテン」を構えます。シルバーマンの「パーフェクトディフェンダー」をもとに編み出されたキン肉タツノリの「肉のカーテン」はネメシスをして「たいしたものだ」と言わしめる堅牢さを誇ります。そこでネメシスは肉のカーテンの弱点を見抜き、攻め手を打撃から組み技に切り替えました。肉のカーテン危うし!?

ローリングソバット

ですがキン肉マンも然る者、肉のカーテンにのみ頼った戦いはしません。ネメシスの組みを素早く切り抜け、ローリングソバットで逆襲!一気にミドルキックの連打で形勢逆転か!?

これはロビンマスク戦でも見せたネメシス流”肉のカーテン”パーフェクトディフェンダーッ!

パーフェクトディフェンダー

しかしそうは問屋が卸しません。キン肉族の技ならば同じキン肉族のネメシスも可能です。先程とは逆の展開、キン肉マンのラッシュを今度はネメシスの「パーフェクトディフェンダー」が止めます。数々の逆転劇を生み出してきたキン肉族の技を相手もつかうことができるのですからキン肉マンとしては非常にやりにくい相手です。

タックル

先程と攻守が逆でそれ以外はほぼ同じ盤面、ならばとキン肉マンはネメシスと同じ様に組み技による状況の打開を図ります。

キン肉スグルよ お前は大きな勘違いをしている

このまま千日手か!?と思われた一手ですが、一点が先程とは異なっていました。それは「キン肉マンの肉のカーテン」と「ネメシスのパーフェクトディフェンダー」の差であり、その差はキン肉マンが考えていたよりも大きな意味を持ちました。

膝蹴り

ネメシスのパーフェクトディフェンダーはキン肉マンのタックルを防御するどころか、逆にそのままの姿勢で膝蹴りを加えタックルをキャンセル。そのままキン肉マンに腕極めスープレックスを食らわせます。

ヌ~
こ、この動きはジャスティスマン!?

敵の攻撃を耐え忍ぶためキン肉タツノリが生み出した鉄壁の防御法「肉のカーテン」。守りに徹するだけでなく敵を倒すことも念頭に入れネメシスが研鑽してきた「パーフェクトディフェンダー」。似た構えの防御技術なれど、堅守か反撃かといった技の性質の違いだけでなく、そこに正義超人と完璧超人の理想の違いまでもが現れていました。

逆転の一手!

パーフェクト・アセイラント
アセイラントとは「加害者、攻撃者」の意味をもつ単語

倒れるキン肉マンにネメシスはすかさず追撃の姿勢を見せます。空中へ跳躍し、頭上で合掌、そのまま矢のようにキン肉マンへと急降下!パーフェクト・アセイラントだーっ!この高飛び込みのようなパーフェクトな技は命中すればリングを血の海に変えることは必定。命中しなければ突き指で悶絶することも必定

超人絞首刑
要所要所でいぶし銀な活躍を見せる超人絞殺刑

しかしキン肉マンこれを回避、そして繰り出した反撃の一手は48の殺人技の一つ「超人絞殺刑」でした。ネメシスが王族から独立して完璧超人として超人閻魔の下で技術を高めたように、キン肉マンも王族から離れて進化させてきた技があります。それが師匠カメハメから受け継いだ「48の殺人技」と「52の関節技」であり、これもまた多くの共通点を持つキン肉マンとネメシスを分かつ重要な要素となります。果たしてこの「反撃の一手」ならぬ「百手」が勝負を決する鍵になるのか!?

正義超人と完璧超人、キン肉マンとネメシス、この違いを言葉だけでなくリングの上での技の応酬でキッチリと、そしてコンパクトに表現してしまうゆで先生の構成力には感服しっぱなしでした。

といったところで今週の感想を終わります。お読みいただきありがとうございました。