キン肉マン184話感想:「大魚の志」と「雑魚の誇り」

キン肉マン184話「雑魚の誇り!!の巻」のあらすじと感想です。慈悲の心は敵に隙を生み、悪をのさばらせるだけだと主張するネメシス。逆に慈悲の心がこそキン肉族の腐敗を一掃できたのだと主張する真弓。どちらも立場を譲らず平行線のまま、ネメシスは最後通牒としてキン肉マンと真弓を完璧超人界へと誘いました。この思いがけぬ言葉にキン肉マンは――。

それが私の…大王としての矜持だ!

ミート君が心配そうに見つめるなか、キン肉マンは即座に、そして力強くその勧誘を拒否しました。命惜しさに一族や国民を見捨てることなどしません。さらにネメシスに物申します。「あなたは人を信じることを諦めただけだ」タツノリと真弓は愚直なまでに一族と民を信じ続けました。そしてスグルもまた同様に信じ続けます。それがキン肉マンの大王としての矜持なのです。

では敬意をもって今の提案は撤回しよう

交渉は決裂、ネメシスは即座にキン肉マンを殺しにかかります。ネメシスのラッシュに堪らず後退するキン肉マン。このままでは先ほどまでの展開と同じ末路を辿ってしまうことは必定。

「ヘイ、キン肉マン後退するな!前だ前へ出るんだ!」そこへ檄を飛ばすテリー。流石のキン肉マンも一瞬躊躇しますが意を決しノーガードの捨て身で前進。当然猛攻を受ける顔からは大量の血が…。しかしこれが塞翁が馬、ネメシスの拳がハイドロプレーニング現象!血によって滑りキン肉マンの顔を横滑りしたのです。そして生じたネメシスの致命的な隙を閂スープレックスで逆転!

直ちに体勢を立ち直そうとするネメシス。「まだだキン肉マン!ロビン戦法No1」ウォーズマンの冷静で的確な指示にキン肉マンは即応、皆まで言うなとばかりに飛びかかります。ロビン戦法No1、そうそれは「獲物は!逃すなーっ!」ネメシスの顎を捉えたシャイニングウィザードがネメシスを再びリングに墜としました。

そしてミート君の応援のもと一気呵成に攻め続けます。決めるのはもちろんキン肉マン得意のバックドロップ!前回はネメシスの技巧によって難なく返されたバックドロップですが、仲間たちのアドバイスの援護を受け今度はしっかりと着弾しました。然しものネメシスもダメージは大きそうです。

雑魚より大魚のほうが偉いと誰が決めた?

「こざかしい雑魚どもが寄り集まったところでーっ!」ネメシスのトラッシュトークを制止し、キン肉マンは静かに語りかけます。「雑魚(正義超人)より大魚(完璧超人)のほうが偉いと誰が決めた?」「なんでもひとりでできる、他人の指示は受けない尊敬すべき誇り高い態度だが裏を返せばそれは人を信じることを諦めただけともいえる」「その差にあるのは”優劣”などではない主義主張の違いだけだ」と。

ネメシスもそれをわかりかけているからこそ完璧超人界へと二人を誘ったのではないか?キン肉マンの疑問は図星だったのかネメシスの心を大きく動揺させました。

お前らの甘い理想論などに誰が賛同するものかーっ!

その疑念を打ち払うかのように速攻を仕掛けるネメシス。信じるのは「圧倒的理性と力」そしてその象徴たる「ネメシスドライバー」がキン肉マンを捕らえます。負傷の大きいキン肉マン、この大技が直撃して無事でいられるはずがありません。万事休すか!?

と、その時「頼むスグルーッ!」真弓の涙ながらに訴えます。ネメシスもキン肉マンが信じるべき同胞のひとりであり、サダハルごと救って欲しいと。この真弓の言葉がキン肉マンの魂を揺さぶり、額の肉マークを光らせ――。

感想

ネメシスの勧誘後でのキン肉マンの第一声が「断る!」だったのが非常にカッコよかったです。さらに理由を理路整然と並べ、逆にネメシスを糾弾し、大王としての矜持を見せつけた姿はミート君でなくとも目に涙を溜めざるをえません。

その後の正義超人を「雑魚ども」と言い放つネメシスに対し「雑魚より大魚のほうが偉いと誰が決めた?」という返しもまた最高にクール。終始ネメシスを舌戦で圧倒していたのがただ強くなっただけではないスグルの名君としての器の成長を感じました。

またネメシスの動揺は完璧超人としての大義を揺るがす蟻の一穴になるのではないかと感じました。今までの完璧なる理念、完璧なる戦いの理由からはたとえ負けてもネメシスの心は説得できず、そのまま自決してしまうのではないかという危惧がありました。しかしその完璧さは崩れかけており、ひょっとするとサダハルを救い出せるのではないかという淡い期待が私の中で出てきました。というかそうなってほしいです。

今までほぼ一方的に打ち負かされてきたレスリングの方でもセコンド陣との連携によって逆転を決めたのが熱いです。友情パワーここにありといった感じです。一見無茶に見えるがキン肉マンのタフさを知るからこそのテリーマンのアドバイス、亡き師ロビンマスクから受け継いだ冷静で的確なウォーズマンの「ロビン戦法」、最早言わずとも通じるミート君の阿吽の呼吸、三者三様のアシストが光りました。

最後のネメシスドライバー。ネメシスがキン肉バスターをペルフェクシオンバスターで返したように、キン肉マンもネメシスバスターを食らうのではなく必殺技で返して欲しいところ。で、ネメシスドライバーを見ていて気がついたのですがこの技キン肉ドライバーですごい返しやすそうなんです。キン肉マンの手はフリーだし、足のロックを外すことができれば即座にキン肉ドライバーに変化させることができそうです。

それにネメシスドライバーをキン肉ドライバーで返すとすると今後の戦いの流れが何となく見えてくるのです。互いに必殺技返しを1回ずつやることになるので戦況としては1勝1敗の五分と五分、そこから奥義「マッスルスパーク対決」にもつれ込み勝敗を決するのではないか……とまでいくと先のことすぎて鬼に笑われそうなのでこの辺りにしておきます。

今週の感想は以上です。お読みいただきありがとうございました。

前回キン肉マン第183話「悲しき肉のカーテン!!の巻」感想

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